インド旅 9日目(2) 〜赤き廃都、ファテープル・シークリー【インド階段井戸を巡る旅2017_14日間】

インド
赤き廃都、ファテープル・シークリー

「ファテープル・シークリー」・・・タージ・マハルに比べ全くもって知名度が低い世界遺産ですが、その威容はタージマハルにも負けず劣らずです。そのひたすらに赤いその姿から「赤き廃都」とか言って人気が出せそうな気がします。夕景のタージ・マハルもちょっとだけ。


 

〈前回(1)の移動2 チャンド・バオリ〜ファテープル・シークリ〉

巨大幾何学の階段井戸「チャンド・バオリ」に圧倒された前回はこちら。

インド旅 9日目(1) 〜幾何学模様の階段井戸、チャンド・バオリ【インド階段井戸を巡る旅2017_14日間】
ついにこの旅を始めたきっかけになった階段井戸チャンド・バオリに向かいます。嘘みたいな巨大な建物は圧巻です。また今回の旅でははじめての車のチャーターと高速道路。普段何気なく通り過ぎてしまいがちですが、なかかな見れないものが見れてこれもまた楽し

 

束の間の赤き都、「ファテープル・シークリー」(東側モスク地区)

チャンド・バオリから約2時間。ファテープル・シークリーの駐車場に来ました。
運ちゃんとは1時間半後にここで!と約束して出発。中央の彼です。

 

で、でかい。城砦なのかな?

ちなみに車を降りた駐車場から車は入れず、リクシャーで向かいました。
声をかけたら群がるのはいつものことですが、このときはインド人運転手同士で「俺が先に声かけたんだ!」みたいな感じで喧嘩っぽくなってしまいました。珍しい。
実際一番先に声をかけてきた方にお願いしました。

 

あれは何だ?城砦の2倍くらい高さがある、やべえ。

 

どうやら門みたい。現実感のない大きさ。

 

この「ファテープル・シークリー」はムガル帝国を強固にした三代目の皇帝にして、あのタージマハルを作ったシャー・ジャハーンの祖父、アクバル大帝が築きました。

そのアクバル大帝はなかなか世継ぎに恵まれませんでしたが、聖人の予言によって4代目ジャハーンギールを得ることができました。それを記念して1571年にこの地に遷都したのがこの「ファテープル・シークリー」です。

しかし、この城は遷都後、わずか14年で再び遷都してしまいます。水不足だったとの説が有力らしいですが、それによって帝国の財政は小揺るぎもしなかったそうです。
こんなでかいものを簡単に放り出すとは当時のムガル帝国の強大さが伺い知れます。

世界史でもほとんどインドの歴史には注目したことがなかったですが、旅をするといろいろなものが見えてきます。カンボジアのアンコールワットとかもあんなところにすごい建物をつくれる王朝があったなんて全然知らんかった。

ともあれすぐにここファテープル・シークリーはすぐに廃都となってしまったため戦いなどが起こらず、きれいなまま現代まで建築が残っています。大まかに東側のモスク地区と西側の宮殿地区に別れており、こちらが東のモスク地区になります。

 

急な階段を登っていきましょう。

 

近づいて見上げてもでかいし、こちらの幾何学模様の装飾も素晴らしいです。

 

では突入。ここから先は裸足での入場です。
こういうのはミャンマーで慣れていたので靴入れのビニール袋も準備してました。

 

いきなり墓??
・・・と驚いているのも束の間、イスラム系の少年に声をかけられました。

流暢な英語(たぶん・・・)で、

「僕はムスリムだ、ここは神聖な場所なのでルールがたくさんある。
外人はルールがわからないので失礼にあたるから、僕たちが案内している。
他のみんなも案内が着いているだろう?これはお金稼ぎでないので安心してくれ。」

・・・とのこと。
あとで金をせばまれるのではと怪しみつつも言うことももっともなので、ついていきました。

 

表の写真撮影で台無しですが、素晴らしい透かし彫りの窓。
「外からは見えず、内からは景色が見えるようになっている」とのこと。

 

インスタ映えする写真の撮り方も少年に教えてもらいました。

 

その他、中は写真NGでしたが、聖人の墓所(左手白い建物)にはイスラム帽子をかぶって入ることなどいろいろ教えてくれました。

少年は結局ガイド料を取ることはなかったけど、最後的にその家族のお土産物売り場に案内され、象の彫り物などを見せて「ぜひ僕たちの村の暮らしを助けるために買って欲しい」と懇願されました。

ちょっと失望して「あとでまた来る」と言ってしらばっくれてしまいましたが、あとで考えるときちんと案内してくれたので買ってあげるべきだったのかな〜。
そう考えてしまうのもあちらの上手な策略?旅の途中で壊れ物はいらなかったしなー。難しいところです。

 

というわけであとは結局自由に散策。
いくらでも居たくなる空間でしたが、まだ広いこの城、ドライバーとの約束の時間もあるのでちゃっちゃか見ていきます。

 

くぐってきた門の裏手、階段がないから表ほどではないけどやっぱりでかい。

 

もうおなじみになったジャマー・マスジット(礼拝堂)。

 

外に出られるところもありました。建物は高台に建っているので、遠くまで見渡せますが、周りなんにもない・・・。

 

VRカメラで一周。

 

東側のモスク地区を出ます。ここまでは無料で西側の宮殿地区に入るのに入場料500Rsが取られます。

 

束の間の赤き都、「ファテープル・シークリー」(西側宮殿地区)

宮殿地区はいい感じの建物がたくさんあったのですが、モスクに結構時間をかけ待ち合わせの時間が迫っていたのもあり、さっくりと見ていきます。(実は宮殿などはジャイプールので結構おなかいっぱいになっていたので食傷気味ということもありました、全部真っ赤でステキではあるのですが・・・)。

 

修復中なのか発掘中なのかレンガがむき出しのところもありました。

 

中はほんと広いので時間があれば一日中楽しめそうです。

 

「パンチ・マハル」という五重の塔というか5層というかの吹き抜けの建物。
一番有名なのかファテープル・シークリーといえばこの写真がよく紹介されています。

 

会議室的な建物らしい。

 

駐車場までの帰りはバスを使いました、ひっきりなしに出ているみたい。大混雑の立ち乗り、5Rs。

 

バスの車窓からも発掘現場みたいなものがたくさん見えました。
まだ見れるとことが広がったりするのでしょうか?

早足の見学になりましたが、機会があればここは再びじっくり見たいくらいです。

 

アーグラまでの移動(と渋滞)

5分遅れてしまったけど、無事駐車にてドライバーと合流。

アーグラまでを目指します。

 

〈本日の移動2 チャンド・バオリ〜アーグラ〉

 

が・・・。

運転手があまりアーグラの町を知らないのか、だいたい高速を降りたあたり「こっちでいいのか?」と尋ねてきます。
シラネーヨ、と言いたいところですが、念の為、Google Mapをオフラインで見れるようにしておいたので、あっちだ、こっちだとナビゲートすることができました。
準備をしてきて本当によかったですが、町を眺めたり、写真を撮ったりがなかなかできなくてちょっと残念。

さらにさすがアーグラはこれまでの田舎と違い、かなりの渋滞
予定より遅れているからか焦っているのでしょうか?たびたび「あと何km??」とか聞いてきてドライバーもちょっと不機嫌。

当初はホテルまでという約束だったのですが、結局タージ・マハルの西1kmくらいの道で車が全然動かなくなってしまったので降りて、歩くことに。

当初はサービスなどよい感じだったので、約束の4000Rsにチップ付きで4500Rsくらい渡そうかなと思って差し出すと、「もっと寄越せ!5000Rsだ。」的なことを言ってきました。だんだんアーグラに近づくに連れ案内をさせたりしたのは、評価マイナスだったのですが、200Rs足して最終的に4700Rs渡しました。
サービスし過ぎかな?

〈ホテルへ徒歩移動〉

Google Mapの地図データはダウンロードしたものの、オフラインなのでルートナビは使えません(simカードやポケットWifiは用意しなかったので、この旅で携帯がオンラインになるのはホテルのWifiのみです)。
車が少ないし、公園を突っ切ればいいやと行きましたが、東側で柵に阻まれたり、ゲートが閉まってたり、ゲートの警備員が嘘教えてきたりで、1時間ほどさまよっていました。たぶん車道を行くのが正解でした。

夕暮れ時の幽玄なるタージ・マハル

今日のホテルはHotel Kamal、立地とタージが見えるらしいというだけで決めました。

散らかした状態ですみません・・・。
やや安普請感ありますが、まあきれい。お湯は出たり出なかったり。

ホテルにチェックインを済ませると、急ぎ夕方のタージマハルを見ようと屋上のレストランに上がりました。どやろか?

おお!見える、でかい!白い!

 

しかもタージ側の席が空いてた、やったぜ!

 

だんだん日が傾きはじめました。
すこし赤みを帯びる?

 

この日は西の空は赤くなっていましたが、照らすほどではなかったです。赤いタージってのもあるんかな?
でも薄暗い空に白いタージマハルが溶けてしまっているようで、これはこれでいい感じです。

 

さらに輪郭がぼやけ、絵か蜃気楼のようになってしまいました、まさに幽玄。

 

どっぷり暗くなって完全に輪郭のみに。存在感はでかい。

 

タージに夢中で食事撮り忘れました、たくさん食べて約500Rs。

明日は今日は遠くから眺めるだけだった白き霊廟、タージマハルに突入します。

https://wandering-sun.com/2018/12/04/india2017-10-1/

 

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